日本に入国できない!?コロナ禍での帰国途中に起きたハプニングとは。-Vol.2野瀬将平さん-

日本に入国できない!?コロナ禍での帰国途中に起きたハプニングとは。-Vol.2野瀬将平さん-

世界では変異種が猛威を振るう状況が相次ぎ、海外に駐在している日本人の中でも帰国を余儀なくされる方もいらっしゃると思います。
しかし実際に日本に帰国する際には何が必要なのか、日本の水際対策はどうなっているのかなど気になる点も多いですよね。

そこで今回は、前回に引き続きプロバレーボール選手の野瀬将平さんに、実際に2021年4月某日イスラエルから帰国した際の体験談をお聞きしました。今年4月までイスラエルリーグのハポエル・クファル・サバの一員として活躍していた野瀬選手。帰国途中でのハプニングなど貴重なお話を伺うことができました。

イスラエルで活躍していた野瀬将平選手イスラエルで活躍していた野瀬将平選手

日本帰国時、たまたまイスラエルの日本大使館で働く日本人の方と出会う。

―昨年末の一時帰省時以来、約4か月ぶりの帰国となりましたが、今回は何やらハプニングが起こったようですね。

野瀬:はい。今回はイスラエルからフランクフルト経由で日本に帰国しました。帰国前に厚生労働省に電話し、入国時の必要事項を聞きました。厚労省からは「PCR検査は絶対必要。ワクチン接種の有無は関係ない。」と言われたので、イスラエルの空港で「CHECK2FLY」という検査会社のPCR検査を受け、陰性証明書をもらいました。

―事前に厚生労働省に電話で確認とは、かなり入念に帰国準備をされたのですね。

野瀬:前回の帰国時の準備が大変だったので、今回もミスがないように予め確認しました。帰国日当日、フランクフルト行の搭乗手続きの場所にたまたまイスラエルの日本大使館で働く日本人と会ったのですが、その方に「CHECK2FLY」でPCR検査を受けた方が、日本入国の際に不備があり送還されるということが前日にあったと教えてもらいました。どうやらその会社が出す陰性証明書には検査方法が記載されておらず、日本入国時には書類の不備として扱われてしまうようです。大使館の日本人の方も同じく「CHECK2FLY」でPCR検査を受けていたらしいのですが、帰国前にその情報を知り、陰性証明書に不備がないように急遽情報を追記してもらったと話していました。

陰性証明書に不備あり。日本に入国できない!?

―送還された話を聞いて焦ったのではないでしょうか?

野瀬:とても焦りました。約8か月間イスラエルに滞在しましたが、その間に僕自身、現地生活の慣れや周りの影響からか少し楽観的なマインドになってきていて、最初は「どうにかなるだろう」と思っていました。しかし大使館の日本人の方やインターネットの情報を見ていると、日本への入国は厳しそうでどんどん不安が押し寄せてきました。その大使館の方がずっと気にかけてくださり、トランジットのフランクフルト空港で検査を受けられるところがあるか一緒に調べてくれて、フランクフルトの空港の一番端に検査センターがあることがわかりました。

―ではフランクフルトで再度PCR検査を受けたのですか?

野瀬:はい、フランクフルトの空港に到着して真っ先に検査センターへ向かいました。検査センターのスタッフに事情を説明すると一番に検査をしてくれました。フランクフルトの滞在時間は手続きを除いて8時間。こちらで検査結果がでるまでは6時間かかるということでまさにギリギリ。また8時間の滞在時間中も空港の端と端にある自分のフライトの搭乗ゲートと検査センターを行ったり来たりして大変でした。途中シャワーを浴びたのですが、搭乗ゲートと検査センターまでの移動が20分かかり、移動するとまた汗だくになっていました。(笑)

フランクフルトの空港内にあるPCR検査場フランクフルトの空港内にあるPCR検査場

―バタバタしたトランジットになりましたね(笑)

野瀬:慌ただしかったです。ただなんとか検査結果も予定通りの時間に出たのでほっとしました。30分遅かったら搭乗に間に合ってなかったと思います。また、その検査センターでは、日本行きの方のための日本語表記になっている書類を用意してくれました。行先別に書類を用意してくれるサポートが本当に助かり、日本語で内容を確認できることにとても安心しました。

飛行機を降りてから隔離先のホテルに行くバスに乗るまで、5時間かかった。

―陰性証明書の準備も整い、無事日本に入国できたというわけですね。

野瀬:はい。日本の検疫の流れは昨年12月に一時帰国した時とほとんど同じでしたが、手続き時間は長くなっていて、飛行機を降りてから全ての手続きを終えてホテルへ向かうバスに乗るまでに5時間かかりました。また到着した人たちと団体行動で全員一緒に移動をしていました。ポイントごとにスタッフが配置されており、お手洗いに行きたい場合は手を挙げてスタッフに同行・誘導されながら行っていました。団体行動のため、途中で水を買いに行くことすらできませんでした。

―入国時のPCR検査は具体的にどのような流れだったのですか。

野瀬:飛行機を降りてすぐ、誓約書や健康票、アプリインストール同意書などといった記入用紙を5枚ほど渡され記入しました。次に唾液によるPCR検査を実施し、結果が出るまで4時間ほどかかりました。その後、最初に記入した書類のチェックとアプリインストールを済ませました。アプリインストールは英語が話せるスタッフと1対1で一緒に3種類のアプリ(OEL、Skype※、COCOA)をインストールしました。その後、PCR検査が陰性だった人はバスの受付所に向かい、陰性者全員で指定のホテルへと向かいました。
※5/24現在、居所確認にはSkypeからMySOSの使用に変更されました。

入国時に渡された誓約書などの記入用紙(一部)入国時に渡された誓約書などの記入用紙(一部)

―今回は色々と大変な帰国になりましたね。

野瀬:はい。先ほどバスに乗るまでの間は水を買いに行くこともできなかったとお伝えしましたが、お腹が空いて辛かったです。これから日本に入国される方は、搭乗前に水分やお菓子などを手荷物バッグに入れておくことを強く勧めたいです。

またイスラエル・フランクフルトの空港での情報検索のときも、インターネットのありがたみを感じました。インターネットがなかったら、帰国できていなかったと思います。海外では何が起こるかわからないので、海外に行く際は必ずWi-FiルーターやSIMなどを準備してください!

―野瀬選手、ありがとうございました!

前回の野瀬選手のインタビュー記事はこちら

※なお、この記事は2021年4月時点の情報となり、各国の空港設備や入国に関する規制などは変更となっている場合がありますので、あらかじめご了承下さい。

野瀬将平(のせ・しょうへい)

野瀬将平(のせ・しょうへい)

1993年7月20日生まれ。福岡県出身。ポジションはリベロ。東福岡高校在学中はインターハイや春高バレー、慶応義塾大学在学中は全日本インカレやU21世界大会に出場。2016年にFC東京へ入団し、2021年4月までイスラエルリーグのハポエル・クファル・サバで活躍していた。

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Telecom Times編集部

監修:Telecom Times編集部

2000年、成田空港の一角で携帯電話レンタルサービスを業界で初めて提供して以降、Wi-Fiレンタルをはじめとした旅行モバイル通信サービスの老舗として、旅と通信に関する知識と経験を培ってまいりました。「旅本来の楽しさに集中できる環境をつくる」をミッションに、世界の旅人の知りたい・役に立つ情報をお届けいたします。
株式会社テレコムスクエア

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