「バレーボールが好きだから。」「今やるしかない!」東京グレートベアーズ野瀬選手・谷口選手に聞くこれまでの軌跡と、今後の挑戦とは

「バレーボールが好きだから。」「今やるしかない!」東京グレートベアーズ野瀬選手・谷口選手に聞くこれまでの軌跡と、今後の挑戦とは

株式会社テレコムスクエアは、世界をフィールドに様々な分野で活躍するアスリートやアーティスト、活動家の皆様を、海外Wi-Fiレンタル、SIMカード、eSIMなど通信環境の提供を通してサポート・応援しています。

今回お話を伺ったのは東京グレートベアーズ所属、プロバレーボール選手の野瀬将平さん(以下、野瀬選手)と谷口渉さん(以下、谷口選手)です。テレコムスクエアは2023年7月より、東京グレートベアーズとクラブパートナー契約を締結いたしました。東京グレートベアーズは、活動を休止したFC東京が株式会社ネイチャーラボに譲渡されたことにより発足されたプロバレーボールチームです。

なお、野瀬選手は今季よりBundesliga(ドイツ)1部のSWD PowerVolleys Düren(デューレン)へレンタル移籍され、谷口選手はイタリア・プロバレーボールリーグ「Legga Pallavolo (レガ・パッラヴォーロ)」セリエA所属『パッラヴォーロ・パドヴァ』へレンタル移籍されています。

このインタビューでは、東京グレートベアーズのこれまでの軌跡や、野瀬選手と谷口選手の海外での目標などについて伺いました。

テレコムスクエア本社にてインタビュー中の野瀬選手と谷口選手左:野瀬将平選手  右:谷口渉選手

やれない理由よりやる理由、東京グレートベアーズどん底からの大逆転

―東京グレートベアーズ結成について教えてください。

野瀬:東京グレートベアーズはもともとFC東京の活動休止を受けて、消費財メーカーのネイチャーラボにチームが譲渡され発足したチームです。
多くの方々にご協力いただき、選手やファンの皆さんの努力が報われた結果2022年の6月に新たに東京グレートベアーズが誕生しました。

―FC東京の活動が休止すると聞いた時、どう思いましたか?

谷口:正直モチベーションが急激に下がりましたよ。チーム存続について、メンバーで話し合った際も「本当にできるのか?」と前向きになれないこともありました...。
それでも「今頑張らないと道は開けない」という気持ちが強く、チーム一丸となって存続活動を続けていました。最終的にはネイチャーラボに評価いただけて、本当に嬉しかったですし、安心しました。

選手写真 提供:東京グレートベアーズ提供:東京グレートベアーズ

―諦めかけていたところを大逆転したポイントは何ですか?

野瀬:選手たちもそうですが、何よりネイチャーラボが諦めなかったことです。ぼくたち選手からすると、バレーボール界では実業団のスポーツチームが経営難になることが珍しくはないんです。しかし、ネイチャーラボは、頑張っているスポーツチーム、選手スタッフ、そしてそれを応援するファンの存在を知って、簡単に無くすべきではないと言ってくれました。

―諦めないネイチャーラボさんを見てどう感じましたか?

野瀬:ネイチャーラボは「できない理由」ではなく、「できる理由」を探してくれました。チーム存続が不可能な理由は既に多くありましたが、ネイチャーラボはバレーボール業界にどのようなビジネスチャンスがあるのか、ポジティブに話を進めてくれました。バレーボールのというスポーツのポテンシャルを信じていただけたことを、今でも感謝しています。

―野瀬選手は当時フィンランドにいながらも営業活動に励まれ、谷口選手はFC東京の選手をしながら活動をしたと聞いております。お二人はどのようなモチベーションで取り組まれていたのでしょうか?

野瀬:「バレーボールが好き」という気持ちが強く、全力で打ち込んできたチームや業界が衰退していくのは嫌だと感傷的になっていました。

谷口:ぼくもバレーボールが好きで活動を続けていましたね。自分にはバレーボールしかなかったんです。先を見据えていたというよりかは「今頑張るしかない!」とその一瞬一瞬を全力で取り組んでいました。当時フィンランドにいた野瀬さんともZOOMを繋いで相談をたくさんさせていただきました。

―東京グレートベアーズが誕生して、1年目はどのような計画を立てていたのでしょうか?

野瀬:そもそもの計画を立てる時間がなかったんです...。シーズン開始が10月に対して、東京グレートベアーズの誕生は6月。試合をするアリーナも、他の団体予約でほとんど取れず、切羽詰まった状況でした。それでも前を向いて走りながら、チームを形にしていきましたね。僕は選手活動を優先させてもらっていたので、ネイチャーラボの皆さんを含むフロントメンバーがめちゃくちゃ頑張ってくれました。

―走りながら形を作っていく1年目での目標はありましたか?

野瀬:東京グレートベアーズを知ってもらうこと、そしてファンを増やすことです。フロントだけでなく選手自身も自分ごととして宣伝と集客を頑張りました。

―なぜ選手自ら集客に力を入れたのでしょうか?

野瀬:FC東京の休部の件で、選手やフロントという概念が強くあってはうまくいかないということを身に染みて感じていましたし、やはり選手自身が影響力が1番あるからです。自分たちのクラブであり、自分たちの試合なので。結果が出れば選手のモチベーションにもなりますし、メリットしかないと感じました。これまで「集客=運営が行う」という概念が定着していましたが、選手自らSNSを中心に発信したり、ビラを配ったり、クラブ全体として常識を覆すチャレンジをした1年でしたね。

―選手が集客を行うという新たな取り組みで、大切にしていたことはありますか?

野瀬:「なんのためにやるのか?」を明確にさせることです。もちろん集客を行うことに消極的なメンバーはいませんでしたが、集客を行う理由や、集客の仕方が分からないメンバーもいました。物事を行う理由や方法が明確になると、人は頑張ることができ、大きな力になります。選手1人1人が理解することで、ファンを増やすという意識は浸透していきました。

選手写真 提供:東京グレートベアーズ提供:東京グレートベアーズ

―東京グレートベアーズではどのようなテーマを持って作られたのですか?

野瀬:クラブコンセプトとして「バレーボールドリーム」を掲げています。東京グレートベアーズは、バレーボールで夢を叶えたい人たちのためのクラブになることを目指しています。その中でぼくたちは多くの方にバレーボールの楽しさを伝えたいと思って活動しています。

―東京グレートベアーズの名前の由来について教えてください。

野瀬:星座のおおぐま座がモチーフです。おおぐま座の一部である北斗七星のように7つの星、選手とサポーターがつながり、バレーボールを通じて世界を「つなぐ」存在を目指します。

―このようなブランディングはチームメンバーの中で決められたのですか?

野瀬:クリエイティブディレクターの小杉幸一先生と一緒に考えました。従来のバレーボール界で、ここまでブランディングにこだわったチームはないと思います。ユニフォームカラーも男子のイメージとは真逆のピンクを採用しました。また、スポーツ界に本来必要とされていたけれど、軽視されがちだったエンタメ性やデザイン性を大切にし、バレーやスポーツに興味がなかった人も巻き込んでいくことでファンになってくれる人が増えました。正直、この「クリエイティブインパクト」には選手一同驚きの連続でした。僕自身もとても勉強になりました。

谷口:最近では、渋谷の宮下パークでビーチバレーを行いました。砂浜の上にピンク姿の集団がいるだけでインパクト抜群です(笑)また、思っていた以上にお客さんに集まっていただき、選手も皆喜んでいました!

選手写真 提供:東京グレートベアーズ提供:東京グレートベアーズ

―東京グレートベアーズは今までのバレーボール界にはなかった概念に挑戦し、ファンを増やしてきたのですね!

バレーボールが好きだから―野瀬選手の世界へのチャレンジ!

―野瀬選手は東京グレートベアーズのビジネスパートも担っているとお聞きしましたが、ドイツに行かれてもその活動は継続されるのでしょうか?

野瀬:はい。ドイツに行くのは自分自身のステップアップのためでもありますが、東京グレートベアーズは活動指針の一つに世界視野のという指標も持っています。日本のバレーボール界をもっと世界にも広めていきたいですし、「TOKYO」という世界有数の都市にあるクラブとして日本と世界の架け橋となり、もっと世界レベルでバレーボール業界を盛り上げていきたいというのが私たちの考えです。

インタビューに答える野瀬選手

―ドイツに行くにあたっての心境はいかがですか?

野瀬:まさか自分でもまた海外に行くとは思っていませんでした。もうすでにイスラエルとフィンランドで2回海外チームへのレンタル移籍を経験しています。選手寿命も30歳行けば良い方だと言われている中で、30歳であるぼくがまさか海外チームに行けるとは...。ご存知のようにクラブ発足にあたってネイチャーラボと話をさせていただいた責任はあります。クラブにもネイチャーラボにもこんなに背中を押してもらえるとは正直思っていませんでした。ありがたいことです。

谷口:僕もチームの皆も、最初びっくりしていましたよ(笑)

野瀬:25歳くらいの時から自分でも「あと3年、あと3年!」と毎年思いながら選手を続けています(笑)やっぱりバレーボールが好きなんですよね(笑)ここまで応援してもらっているのでドイツに行ったら結果にこだわって頑張ります!

―好きなことに全力で取り組む姿勢、大変尊敬いたします!

バレー界最高峰のイタリアセリエAへ!谷口選手の世界へのチャレンジ!

―谷口選手はもともとスパイカーで、当時同じチームの古賀選手の怪我をきっかけに、リベロに変わったとお聞きしています。ポジションがリベロになると決まった時、どのように感じましたか?

谷口:正直初めは嫌でした(笑)スパイクを打つことが楽しかったですし、スパイクはミスしたとしても、自分で得点を取り返すことができます。一方でリベロは受け身のイメージが強く、ボールを1本でも落としてしまったら、ずっと気分も落ちて、得点も取り返せないような気がしていて...。
ただ、今はリベロを選択して良かったと本当にポジティブに思っています!アタッカーとリベロの2つを経験し、バレーボールのほぼ全部を極められている気もしていますね。イタリアのチームに挑戦できることも、リベロにチェンジしたからこそだと思っています。

インタビューに答える谷口選手

―バレー界の最高峰であるイタリアセリエAのチームからのオファーが来た際は、迷いなく決断されたのでしょうか?

谷口:もちろん不安はありました。ですが、上を目指す気持ちは変わらなかったので、高いレベルのチームに行けるチャンスが来たからには、「やるしかない」と決めました。野瀬さんと同じようにクラブの協力と背中を押してもらえたのは大きかったです。実際に出発の直前まで一緒に練習させてもらえているはすごく助かります。

―イタリアでの目標についてお願いいたします。

谷口:まずはがむしゃらに頑張ります。まだあまり英語を話すことはできないですが、元気に声を出して、チーム内のリベロ枠を勝ち取っていきたいです。もらったチャンスを活かせるように、1つ1つの結果を積み重ねていって、信頼を獲得していきたいです!

―野瀬選手、谷口選手、ありがとうございました!ドイツ・イタリアでのご活躍を応援しています!

テレコムスクエア本社にて撮影に応じる野瀬選手と谷口選手

テレコムスクエアは東京グレートベアーズを応援しています

東京グレートベアーズ提供:東京グレートベアーズ

■東京グレートベアーズ

東京グレートベアーズは、FC東京バレーボールチームの休部に伴い、2022年6月に株式会社ネイチャーラボへの全体譲渡により発足した、プロバレーボールチーム。前身のFC東京バレーボールチームは、1948年に東京ガスバレーボール部として創設し、2009年にV.LEAGUE DIVISION1(当時はV・プレミアリーグ)に昇格した。

公式HPはこちら

野瀬将平(のせ・しょうへい)提供:SWD Powervolleys Duren ©Flosfotoart

■野瀬将平(のせ・しょうへい)

1993年7月20日生まれ。福岡県出身。ポジションはリベロ。東福岡高校ではインターハイや春高バレー、慶応義塾大学在学中は全日本インカレやU21世界大会に出場。2016年にFC東京へ入団し、チームのスポンサー営業も行う。2020年はイスラエルリーグのハポエル・クファル・サバにて、2021年はフィンランドのサヴォ・バレーにて活躍した。海外でもスポンサー営業を続け、FC東京の活動休止時は、プロチーム設立に貢献。譲渡されたFC東京はプロバレーボールチーム「東京グレートベアーズ」となり、野瀬も入団。兼任でコミュニケーションマネージャーにも就任した。2023年、ドイツ・ブンデスリーガのSWDパワーバレー・デューレンへのレンタル移籍となり、現在活躍中。

参照:Wikipedia

谷口渉(たにぐち・わたる)提供:Pallavolo Padova ©Alessandra Lazzarotto

■谷口渉(たにぐち・わたる)

1996年11月5日生まれ。福岡県出身。ポジションはリベロ。東福岡高校では春高バレー優勝を果たし、中央大学卒業後、2019年にFC東京に入団。入団当初はアウトサイドヒッターを担い、アタッカーとして活躍。2021年、同チームのリベロの古賀太一郎が負傷したことから、リベロにポジションチェンジした。最終的にV・レギュラーラウンドのサーブレシーブ成功率7位の成績を残し、リベロの本領も発揮。2022年、FC東京のチーム譲渡により誕生した東京グレートベアーズに全体移籍。2023年、イタリアのスーパーリーガに所属するパッラヴォーロ・パドヴァにレンタル移籍となり、現在も活躍中。

参照:Wikipedia

Telecom Times編集部

監修:Telecom Times編集部

2000年、成田空港の一角で携帯電話レンタルサービスを業界で初めて提供して以降、Wi-Fiレンタルをはじめとした旅行モバイル通信サービスの老舗として、旅と通信に関する知識と経験を培ってまいりました。「旅本来の楽しさに集中できる環境をつくる」をミッションに、世界の旅人の知りたい・役に立つ情報をお届けいたします。
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