1歩1歩進む、ミラノオリンピック出場への道！モーグル選手柳本理乃さんに伺ったオーストラリア遠征について

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今回は、女子モーグル選手の柳本理乃さん（以下柳本選手）のインタビュー第4弾です。前回は、2022/2023年シーズンのワールドカップ遠征について、お話していただきました。

この記事では、8月に行かれたオーストラリア遠征での感想や今後の意気込み、宿でのチームメイトとの思い出について伺いました。

大切なのは、焦らずポジティブに目線を切り替えること―金メダリストに近づくための歩みとは

―柳本選手、オーストラリア遠征お疲れ様でした。

柳本：ありがとうございます。

―今回は、モーグルの強化練習とオーストラリア選手権を目的に、遠征されたとお伺いしております。まずは、率直な感想をお聞かせください。

柳本：オーストラリアでは、今シーズンに向けて上手く調整することができました。ただ、自分自身の技術力向上ができた反面、オーストラリア選手権に出ていた金メダリストとの実力の差も痛感しました。

―金メダリストにどのようなところを追いつきたいですか？

柳本：力強さですね。海外選手と日本人選手では、体格差がどうしても出てしまいます。体格の差を埋めることは難しいですが、力強さに関してはトレーニング次第で金メダリストに追いつくことができると思っています。今後はさらにプレーの力強さが出るようなトレーニングを頑張りたいです。

―日々トレーニングや練習に取り組む中で、柳本選手はどのようにメンタルを維持しているのでしょうか？

柳本：1歩下がってポジティブな言葉を自分に言い聞かせるよう心掛けています。私はよく、焦って自分を追い込んでしまうことが多いです。そういう時に「今はオリンピックに近づく過程だから、焦らなくて大丈夫」と、前向きな気持ちで自分に語りかけるようにしています。

―心の中でポジティブに言い聞かせて、金メダリストへの道を1歩1歩進んでいるのですね。

柳本：はい。今回の遠征で一番成長できたことは、今お話ししたメンタルの維持ができた点だと思います。上手くいかなくても落ち込まず、少しでも自分の良いところを見つけて「これができたから大丈夫！」と、焦らない方向に気持ちを切り替えることができました。

―焦らない気持ちが、オリンピック出場を目指す柳本選手のエネルギーになるのですね。では他に、遠征中印象に残ったことはありますか？

柳本：実は、オーストラリアが何十年ぶりと言われるほどの雪が少ない年だったみたいなのです。そのため、雪解けが激しく、練習時と試合時では滑る感覚が違って少しびっくりしました。雪が解けて柔らかくなったコースを滑るのも苦手なので、コースに対応しきれなかったなという気持ちもあります。

―そうだったのですね。天候ばかりは仕方がないですよね。

柳本：はい。雪が少なく、試合が中止になることもありました。しかし、自分自身の課題を見つけたり、メンタルの成長を感じたり、今シーズンに向けて良い調整ができた遠征で良かったです。

―オーストラリア遠征、お疲れ様でした！

3回連続！？またしても遠征先で直面した今回のハプニングとは！

―オーストラリアでは、どこか観光に行かれましたか？

柳本：観光に行く時間はなかったのですが、ボンダイビーチには行きました。砂浜がすごくフワフワしていて、海も綺麗で印象に残っています。ただ、驚いたのが、オーストラリアはまだ冬にも関わらず、水着姿でいる人や、サーフィンをしている人もいっぱいいました。水着とダウンを着ている人が入り混じっていて海外らしさを感じる光景でした。

―日本ではあまり見慣れない光景ですよね。

柳本：はい。冬なのに半そで半ズボンでいる人が多かったり、裸足で歩いている人がいたり、びっくりしました。私は普通に寒いと感じていたのですが、オーストラリア人は寒さに強いんですかね？（笑）

―オーストラリアと日本文化の違いなのでしょうか。
また、柳本選手は以前のインタビューで、予定していた飛行機に搭乗できなかったり、飛行機が途中で引き返してキャンセルになるという、2回の遠征で連続してハプニングに巻き込まれていましたが、今回の遠征でも何か起こりましたか？

柳本：...それがあったんです（笑）宿の周りが何もない圏外の場所で、インターネットが繋がりませんでした。Wi-Fiルーターを借りていたチームメイトも皆スマホが使えなく、困っていました。一応、宿に衛星から電波を飛ばしているWi-Fiルーターがあったので、それにつなげることはできました。しかし、宿に泊まった7人が同時にWi-Fiをつなげようとすると、電波の取り合いで誰かひとりはつながらないという状況でしたね（笑）

―それは大変でしたね。インターネットが使えない状況で、空いた時間はどのように過ごしていたのですか？

柳本：事前にダウンロードしておいた電子書籍を読んで過ごしていました。以前のインタビューでもお話させていただいたのですが、本を読むことが好きなんです。遠征時の空き時間には本を読むことが多いです。

―日本で事前に電子書籍をダウンロードしていたからこそ、空いた時間をつぶすことができたのですね。

柳本：はい。本以外にも、映画やドラマなどの動画や音楽を出国前にダウンロードしておくこともおすすめですよ。私のように思いがけず圏外の場所に遭遇した時に役立つのももちろんなのですが、飛行機内で長時間移動の際に時間をつぶすことができます。私は機内ではよく、ノイズキャンセリング機能が付いたヘッドフォンで音楽を聴きながら寝ることが多いです。

―何か1つオフラインで楽しめるものがあれば便利ですよね。旅行や出張時に役立つ情報、ありがとうございます！

遠征メンバーとクッキング！柳本選手が作った料理とは？

―宿では他にどのようなことをして過ごしましたか？

柳本：皆と当番制でご飯を作りました。今回の遠征では一軒家のような宿に泊まり、調理スペースがついていたので、2人1組になってメンバーの食事を作りました。

―楽しそうですね。何の料理を作りましたか？

柳本：そぼろ丼やカレーなどを作りました。ただ、カレーに関しては、多くのメンバーが日本からカレールーを持ってきていたので、遠征後半は、ほぼ毎日カレーみたいになってしまいました（笑）海外遠征中にカレーが食べたくなる気持ちは、皆同じだったみたいですね（笑）
あとは年下の子が作ってくれた餃子が美味しかったです。

―現地で食材を調達することはありましたか？

柳本：ありました。宿の近くの町に降りて、食料品店へ買い出しに行きました。そこで日本から持ってくることができなかった調味料や食材を購入しました。オーストラリアの食品は日本人の口に合うものが結構多かったように感じます。

―普段料理はされるのですか？

柳本：あまりしないですね。また、大人数の料理も作ったことがなかったので、作って食べてもらう時は緊張しました。失敗しないように、材料や分量、作り方などのレシピをスマホで調べて作りました。今回もお借りしたWiFiBOXのおかげで、買い出しで実際に商品を見ながら、ネットで調べたレシピと照らし合わせて購入することができました。持ち運び用Wi-Fiルーターがあると、場所を問わずインターネットを使うことができるので、大変便利です。

―今回もWiFiBOXを使っていただきありがとうございます。

柳本：海外に行ったら持ち運び用Wi-Fiルーターは欠かせません。また、宿からスキー場まで50分以上かかったので、移動中スマホを使って時間をつぶしました。私は移動中にTikTokを観たり、YouTubeを観たりして過ごすことが多いです。最近だと「森ケの日常」というYouTubeチャンネルにはまっています。家族の日常生活を発信しているチャンネルで、すごく面白くてずっと観ちゃいます。赤ちゃんや子どもの動画が好きな方にはおすすめですよ。

柳本選手が語る、今後の展望について

―最後に、今後の展望をよろしくお願いいたします。

柳本：2026年開催のミラノオリンピック出場を目指し、日々精進していきます。まず、今シーズンの目標はワールドカップで表彰台に乗ることです。昨シーズンは安定した順位・成績を取って終わることができました。しかし、自分では完璧だった試合や、ベストを尽くせたと思えるこれといった試合がありません。今後は満足できる試合が1本でも増えるように、トレーニングや練習を頑張ります！

―柳本選手、ありがとうございました！今後のご活躍も応援してまいります！！

柳本理乃（やなぎもと・りの）

2000年12月13日生まれ。愛知県出身。愛知ダイハツ株式会社スキー部所属。競技種目はフリースタイルスキーモーグル。2021年12月12日にスウェーデンで開催されたワールドカップ（デュアルモーグル）で2位入賞。

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