子どもたちに夢を。子どもたちに居場所を。ブラジルでの野球支援活動を通して感じる、福田雄基さんの思い

子どもたちに夢を。子どもたちに居場所を。ブラジルでの野球支援活動を通して感じる、福田雄基さんの思い

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今回お話を伺ったのは、株式会社D-STRONG代表取締役の福田雄基さん(以下、福田さん)です。福田さんは、ブラジルの子どもたちへ野球用具を届けるべく、日々活動されています。また、年に1回、実際にブラジルに足を運んでブラジルの各地域の子どもたちに野球道具を寄付し続けています。
前回のインタビューでは、福田さんが活動を始めたきっかけや、コロナ禍で2年半ぶりにブラジルに訪れて感じたことについて伺いました。
今回のインタビューでは、6日間の渡航の中での訪れた各地域の様子について、ブラジルでの過ごし方についてお話をお聞きしました。

最終日に訪れたマリリアでのお写真

6日間をかけて、ブラジル各地に野球道具を届ける

―今回の渡航では、ブラジルのどのような地域に訪れたのでしょうか?

福田:今回は7カ所の地域やチームに訪問させていただきました。プロ野球選手を目指している子どもたちが集まる野球アカデミーがある場所、野球をしたくても中々道具を手に入れることができない地域など、地域によって背景・状況は違いますが、どこの子どもたちも大変喜んでくれていました。

―「野球アカデミー」は日本ではあまり聞きなれない言葉ですね。ではまず、ブラジルの野球アカデミーについて教えてください。

福田:まず、1日目はイビウナという地域にある、野球アカデミーに訪れました。イビウナにある野球アカデミーは、日本の高校野球部のような下宿生活ができます。このような学校は、ブラジルの地では珍しいんですよ。

―なぜ、ブラジルでは野球アカデミーが珍しいのでしょうか?

福田:まず、ブラジルは日本の学校のような部活動の制度がありません。ブラジルの学校は日中に勉強し、午後には家に帰るという体制が一般的です。しかし、イビウナの野球アカデミーに来れば、日中に勉強し、午後は野球をするという日本の高校球児のような生活ができるんです。

―ブラジルでは部活動がないということに驚きです。では、イビウナの野球アカデミーに来る子どもたちは、どのような思いを持っているのでしょうか?

福田:イビウナに来る子どもたちは皆、野球人生における覚悟を持って人生をかけに来ていますね。日本で野球部に所属する感覚と、イビウナの野球アカデミーで生活する感覚は異なると思います。日本の高校野球部の子たちは、野球を本気でしながらも、大学や就職の進路へ進む選択の猶予が残っています。
しかし、ブラジルではそういうわけにはいきません。野球の道に進むか、良い職に就けるために勉強の道に進むか、野球アカデミーに入る前に選択しなければならないのです。イビウナの野球アカデミーに来る子どもたちは、本気でプロ野球選手を目指しています。

―イビウナの野球アカデミーには野球に人生をかけた子どもたちが集まるのですね。

福田:そうですね。野球アカデミーは、本気でプロ野球選手を目指す子どもたくさん集まります。また、コロナ禍になってから、今まであったメジャーリーグからの野球道具の支援がなくなってしまいました。そのようなコロナという状況下でも、ぼくの「夢を追いかける子どもたちを応援したい」という思いは絶えず、今でもずっと野球道具の支援を続けています。

―コロナ禍を経ても野球道具支援活動を続けた中で、ご自身の心に残ったことはありますか?

福田:日本製の質の良いボールを寄付したことによって「球速が10キロ以上速くなった」「変化球が上手く投げられるようになった」という声をいただけたことが印象に残っていますね。また、ちょうどコロナ禍にアカデミーに入った子どもたちが今回卒業したのですが、その中で4人にメジャーのマイナーリーグからのスカウトが来たと聞いた時は、とても嬉しかったですね。

―支援を続けたからこそ、子どもたちの夢の実現へ一歩近づくことができたのですね。

福田:そうであれば幸いです。

イビウナの野球アカデミー

―では次に、他の地域について教えてください。

福田:2日目はインダイ・アツーバという地域に訪れました。ここは、女の子が集まって練習しているチームがある地域です。インダイ・アツーバは、比較的危ない地域ではないので、夜に子どもたちが集まって練習する光景も珍しくありません。また、女の子が多い地域なので、日本ではおなじみの、黄色のソフトボールを子どもたちにプレゼントさせていただきました。

―ソフトボールをもらった女の子たちの反応はいかがでしたか?

福田:中には、初めて黄色のソフトボールを見た子もいて、驚いていましたよ。女の子たちが普段使っているボールは、薄くてすべすべのものばかりです。耐久性があり質の良いボールは、ブラジルではなかなか手に入らないため、今回日本製のしっかりとしたソフトボールを子どもたちに渡すことができて良かったです。

―日本では、黄色いソフトボールは主流ですが、見たことのない子どもたちもいるのですね。

福田:はい。中には、そもそもの野球場やグラウンドがない地域もあるんです。3日目に訪れたサンジョゼドスカンポスという地域は、野球場自体がありません。田んぼや畑の中にある、草も生えていてボコボコな、あまり整備されていない空きスペースの仮のグラウンドに、子どもたちが集まって野球をしています。地主さんや地域の方々がお金を出し合ってベースを買ったり、ベンチを作ったりなどして、子どもたちの野球の場を支えています。

―野球場がなくても、子どもたちは野球を楽しんでいるのですね。

福田:そうですね。逆に言えば、サンジョゼドスカンポスにはちゃんとした野球場がないのにも関わらず、野球をやりたい子どもたちが増えていることが本当に嬉しいです。それこそ、一昨年訪れたときよりも、子どもたちの人数が増えています。地域のお父さんの方々が「雄基がグローブやボールを寄付してくれているから、野球をやりたい子どもたちが集まっているんだよ」とも言ってくれましたね。

サンジョゼドスカンポスでのお写真

―まさに、野球を通して和がどんどん広がっていくように見えます。

福田:野球をやりたいと思う子たちが増えるのは大変嬉しいです。また、4日目と5日目に訪れたジガンテス、アンニャゲーラ、グアララペスという地域も、活動をし始めた時期より何倍もの子どもたちが増えています。子どもたちが友だちを誘って、人数がどんどん増えていきました。5,6年前は、1つの年代で1チームも作ることができず、幼稚園生から小学校高学年まで幅広い年代の子で1チームを作っていました。それが今では1年代ごとに1チームが作れるようになったくらい、子どもが本当に増えましたね。

―活動の中で、子どもたちの成長を見つつも、野球をやりたい子どもたちがどんどん増えていくのは嬉しいですよね。

福田:はい。最近では、過去に野球道具をプレゼントさせていただいた子どもたちが大きくなって、新しい世代の子どもたちに野球を教える姿もうかがえるようになりました。昔のグローブもクタクタになるまでずっと使ってくれています。
また、6年前に、グアララペスの子どもたちが日本に来たことがあり、その時にぼくから東京ドームの野球試合に招待させていただきました。その子どもたちは、今でも東京ドームの思い出を、会うたびに話してくれます。大変喜ばしいですね。

―きっと福田さんが届けてくれた野球道具や思い出は、子どもたちの人生とって宝物なんだと思います。

福田:そうであればいいですね...。また、最終日に訪れたマリリアという地域は、街からのサポートが手厚く、グラウンドや野球場はたくさんあります。しかし、子どもたちが多く、野球道具が足りていない状況です。野球をやりたくてもできない、また、どんどん野球をやりたい子どもたちが増えていく様子を見て「次も持って行かなきゃ」という決心が、より一層固まりつつあります。

サンパウロ市から野球道具支援活動を表彰された際のお写真サンパウロ市から野球道具支援活動を表彰された際のお写真

子どもたちの遊び場を、子どもたちに夢を。福田さんにとっての野球道具支援活動とは

―野球支援活動を通して、福田さんが感じることを教えてください。

福田:ぼくにとって、この活動は子どもたちの公園を作るような役割を担っていると考えています。ブラジルでは、日本のように学校の終わりに子どもたちが集まって公園で遊ぶ習慣がありません。また、子ども1人で出歩くことも大変危険です。そのため、グラウンドや野球場にはゲートがあり、大人が見守ってくれている場所なので、子どもたちが安全に遊べる限られた場所なんです。だから、グローブやボールを渡すことは、子どもたちが仲間外れにならないような居場所作りだと思っています。

―野球道具を支援することが、子どもたちの居場所、つまり「公園」を作る役割を担っているということですね。

福田:はい。野球グローブを持っていない子は、どうしても仲間外れになってしまいます。そうならないためにぼくができる大事な役割が、「野球道具を渡すこと」だと思います。

グアララペスでのお写真

持って行った荷物は180㎏超!ブラジルの夜行バスは、ひたすら耐えるのみ⁉

―ブラジルにはどのくらいの荷物を持って行きましたか?

福田:荷物は180㎏以上ありました。ボストンバッグ4つにスーツケース2つですね。追加料金は11万円です(笑)

野球道具と福田さん

―ものすごい量ですね...!そうなると、6日間でブラジル各地域に訪れるには、どのような移動方法になるのでしょうか?

福田:1つ拠点となるホテルを取っておいて、必要な分の荷物を持って、車で移動しましたね。また、夜行バスには2回乗りました。各地域の距離間は、日本の感覚で言うと、東京・茨城・群馬・埼玉・奈良のような感じです。

―大変遠いところを6日間で行き来していたのですね。ブラジルの夜行バスはどのような感じなのでしょうか?

福田:日本の夜行バスとは比にならないくらい辛いです。日本の道路は整備されていますが、ブラジルの道路は整備されておらず、ぼこぼこです。それなのにスピードはすごく速くて...。お尻の痛さが度を越して気にならなくなるくらいです(笑)座席のリクライニングも倒せないし、本当に耐え続けるしかないですね。

―聞いているだけで辛くなります...。

福田:しかも、休憩でパーキングエリアに寄っても、周りが皆ポルトガル語だから、リラックスも全然できないです(笑)でも、Wi-Fiレンタルがあったので、翻訳アプリを使って何とか乗り切りました。

―ありがとうございます。お貸出しした「WiFiBOX」が福田さんの活動に少しでも貢献できて何よりです。

福田:こちらこそありがとうございました。また、ブラジルに到着した瞬間すぐにインターネットを使うことができて助かりました。空港に着いた直後、現地の方とすぐに連絡を取り合って、迎えに来ていただきました。ブラジルのフリーWi-Fiは弱いところばかりなので、Wi-Fiレンタルは欠かせません。

夢へ向かって頑張る人へのメッセージと、福田さんの今後の展望

―福田さんの活動をお聞きして、子どもたちに「夢」を与えているというような印象を受けました。夢に向かって頑張っている人に向けて、何かメッセージはありますか?

福田:「叶うまでやり続ければ、叶う」ですかね。皆、何か頑張っているものがあっても、途中であきらめて辞めてしまうんですよ。また、10代、20代にどれだけ頑張れても、30歳に近づくにつれてどんどん現実を見始めて、行動をしなくなる人が多いと思うんです。「いつまで夢を追いかけているんだ」という人の目を気にする必要はありません。やり続けていれば、周りがどんどん勝手に脱落してくれるから、叶うまで進めばもう無敵になれるので。

―では、最後に今後の展望についてお願いいたします。

福田:ブラジルだけでなく、もっといろんな国に直接足を運んで野球道具を持って行きたいです。そのために、まずはより色々な人達にぼくの活動を知ってもらえるように頑張りたいと思っています。10カ国、20カ国に直接野球道具を持って行くには、やはりどうしても周りからのサポートが必要だからです。ぼくと同じような思いを持って、野球をやりたい子どもたちに道具を届けたい、と思ってくれる個人や団体の方々が増えてくれたらいいなと思います。

福田雄基(ふくだ・ゆうき)

―福田さん、ありがとうございました!今後のご活動も応援してまいります!

福田雄基(ふくだ・ゆうき)

1991年4月13日生まれ。千葉県出身。日本体育大学卒業後、人脈作りのため、六本木でパーソナルトレーナーとして活動。24歳で起業し、トレーニングに関するコンサルティング業を務め、多くのチームを甲子園出場やインターハイ出場に導く。現在は、1000名以上のインフルエンサー含む拡散部隊を擁するマーケティング会社を経営。ECサイトのコンサルティングや、地方創生の一環として「筋肉の祭典」のプロデューサー兼MC。また、筋肉と活かして、テレビ番組やCMなどのメディアにも出演している。リオ五輪(2016)をきっかけにブラジルを始め、ペルー、アルゼンチン、フィリピン、オーストラリアなどにも野球用具の寄付を継続中。また、Netflix婚活リアリティショー「Love Deadline(ラブ デッドライン)」に出演中。

■SNSアカウント
Twitter  @fukuchanDstrong
Instagram  @fukuchan_d.strong
YouTube  @JapaneseDwaynejohnson

Telecom Times編集部

監修:Telecom Times編集部

2000年、成田空港の一角で携帯電話レンタルサービスを業界で初めて提供して以降、Wi-Fiレンタルをはじめとした旅行モバイル通信サービスの老舗として、旅と通信に関する知識と経験を培ってまいりました。「旅本来の楽しさに集中できる環境をつくる」をミッションに、世界の旅人の知りたい・役に立つ情報をお届けいたします。
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